ハンス・ペーター シュミッツ先生とフルトヴェングラー指揮ベルリンフィルの映像
奥原由子
先日妹が九州から上京し、大変なお土産を持ってきてくれました。
フルトヴェングラー指揮のベルリンフィルの映像に、シュミッツ先生が映っているのをインターネットで見た、と言うのです。
生徒さんも協力してくれて、探し当てたのがこのサイトです。
Furtwangler rehearsals Brahms Symphony No.4 in 1948,London
これをコピーして、グーグルやヤフーにペーストすれば、写真とタイトルが出てきますので、クリックしてください。 ユーチューブに飛んで、映像出てきます。
ブラームスのシンフォニー4番の、5分ちょっとの部分の映像です。
始まって、4分程のところで、シュミッツ先生のアップが見られます。
私がベルリン芸大で出会った先生より約30才若い姿に、まず呆然!
指揮をするフルトヴェングラーが、私たちのレッスンで歌いながら指揮をして演奏を導いてくれたシュミッツ先生にそっくりなのに、また呆然!
そして、全身全霊で音楽を表現する指揮者に、これまた全身全霊で呼応するオーケストラの気迫に圧倒され、息もできませんでした!
亡くなって何十年も経った現在も、CDが続々発売され、熱烈なファンに支持され続けているフルトヴェングラーの演奏。
その現場の真っ只中で、実際にサウンドを巻き起こしていたシュミッツ先生。
先生が、私たちの教室に吹き込んだ嵐のようなエネルギーの源流はここだったんだと改めて実感しました。
また、先生が語られた、大戦後瓦礫の中で開始したコンサートの様子も想像できました。
食べる物も十分では無い人々が、三日三晩チケットを求めて並んだというのです。
人々が必要としていたのは、人間への信頼感の回復や、再生への希望と勇気だったんでしょう。
それを音楽が、人間が受け継いできた最高の英知と愛の結晶である音楽が与えてくれると信じていたのだと思います。
その期待に応えたオーケストラの、真心と情熱の化身のような姿を見せてもらえた5分間だと思います。