「喜ばしく誇らかに交感したい!」 発表会に臨む生徒の皆さんへ。
奥原由子
今年も発表会が近づいています。
リハーサルも本番も演奏後も喜ばしい幸福感を満喫したいですよね。
そのためのキーワードは交感です。
普段あまり使われない言葉ですが、心が互いに感じ合い、通じ合うことだそうです。
素敵な二文字ですね。
▶︎ まず、自分が選んだ曲の何に惹かれたのか思い出しましょう。
あなたの心に届いた感動を発信した人、作者と感謝を込めて交感しながら練習を楽しみましょう。
そうして育てた感動を、本番では聴き手に発信してください。
気心知れた音楽仲間との交感は快適です。
天才たちが残してくれた名曲を、1年間努力してマスターした結果です。
喜ばしく誇らかに交感しましょうよ。
▶︎ 次にそれを邪魔する、本番での無駄な緊張の撃退法です。
作者や聴き手に対する謙虚な気持ちからの、質の良い緊張は良い演奏に絶対に必要です。
でも、私たちが習慣的に感じてしまう「人前では、恥ずかしくないようにちゃんとしなくては。」の気持ちは絶対に無駄です。捨ててください。
でも心に嘘はつけないから、その無駄な緊張を追い出して心を満タンにする別のものが必要です。
それが、作者との交感から生まれた「これを伝えなければ!」という使命感と、交感を待っている聴き手への思い遣りです。
▶︎ もう一つ、夏休みまでお預けにすることがあります。
できないことを気にすることです。
技術の追求は果てしないものです。とかく身についたものは忘れてしまい、まだできないことばかり気にしがち。
聴き手になったときにおわかりでしょうけど、本人以外誰も全く問題にしてませんよね。
▶︎ 音楽に感動し、それを演奏しようと精進し続けるあなたは素晴らしい!
作者はいつもあなたと共にいて、私を含め聴き手は温かく待っています。
全身全霊オープンにして、喜ばしく誇らかに交感を満喫しましょうね。