2019.05.31
ハンス・ペーター シュミッツ先生のキラキラ・キーワード その15
奥原由子
真逆の要素をいつも意識しなさい。
ゆっくり、リタルダンド、弱い、デクレッシェンド、レガート、低い音域、下行形などの要素を先生は左のグループと表現されました。
それらと対照的な、
速い、アッチェレランド、強い、クレッシェンド、スタッカート、高い音、上行形などの要素を右のグループと。
同じグループの要素は簡単に結び付き易いけど、過剰な表現になりがちだから注意しなさい。
だそうです。
例えば、
クレッシェンドすると、意図してないのにテンポが速くなってしまっている。逆にデクレッシェンドしているとゆっくりになってしまう。
メロディが上行するとテンポが早くなり、音も大きくなってしまう。逆に下行すると遅くなり、小さくなってしまう。
なんて、経験ありますよね。
演奏している本人は気づかなくても、共演者や聴き手には、「ちょっとやり過ぎじゃない?」
と感じさせてしまいます。
そんなことを防ぐのに、シュミッツ先生は
真逆の要素、左右のグループをいつも意識しなさい。
と教えてくださった訳です。
これが上手くいくと、「こんな風に表現したい!」と願って演奏したものが、説得力を持って聴き手に伝わると感じています。
試してみてください。