2019.08.30
ハンス・ペーター シュミッツ先生のキラキラ・キーワード その10の2
奥原由子
昨年11月に取り上げた、
全ての音が何かを語っているように。
を再びです。
作者が音符のつぶつぶに込めた気持ちやメッセージを「読み取り、感じ取り、共感し、表現する」ことが大切というキーワード。
今回はピアニスト、アレクサンドル・トラーゼが同じようなことを語っていたので取り上げます。
「私の心を引き付けているのは、曲に秘められたストーリーを語ることです。」
器楽ですから、当然テキストはついていません。そこで、
「時には間違っていることもあるかもしれません。ですが、ただ音符を並べるだけのだけの演奏より楽しんでもらえることは確かです。 聴き手に語りかけているのですから!」
だそうです。
トラーゼのお父さんは、プロコフィエフと同門の作曲家。彼らの師匠は、「プロコフィエフの作品は、一音一音が天才的だ。」と語っていたそう。
そんな父親に育てられたトラーゼの演奏。音符一粒一粒に込められた作者の気持や魂を読み取って、共感し、伝えようという情熱にあふれていて感動しました。