リズムの魅力、そして「フルートハイ」
奥原由子
◉先々週も書いたように、リズムやメトロノームが注目されています。
そこで、改めて考えてみました。
なぜ私はメトロノームと一緒に吹くのが好きなんだろうって。
◯音楽療法の林明人先生の研究と実践によると、
一定のリズムを繰り返し聴くことで、脳が刺激され、リズムに合わせて身体が快適に動き始める。それに伴い気持ちも上向くのだそう。
そこにメロディが加わると、もっと効果的。
実際、先生の著書の付録CDには、クラシックの名曲に速度90~120のメトロノーム音が重ねられています。
そっか、メトロノームとの練習は、セルフ音楽療法なのかも。
だから気分良かったんだ。
これに規則的な呼吸も加わるから、有酸素運動にもなるし。
◯それで思い出したのが、「ライニングハイ」というもの。
程よい速度のランニングでも、心身爽快になるんでしたよね。
ここでは、自分の歩調や呼吸で一定のリズムを奏でているのかしら。
脳をたくさん使う学者さん達が、走ることを習慣にしている話をよく聞きます。やはり、科学的な根拠が明らからしい。
◯また思い出しました。
モーツァルトがお父さんに宛てた手紙で、ウィーンの人々が夜を徹して踊ることが書かれています。リズム+メロディに乗せられて。
様々な業種の組合が、シュトラウス達作曲家にワルツをオーダーしてまで踊りに興じたことも伝えられています。
「ダンスハイ」でしょうか?
分かります。私も子供の頃、校庭に作られたスケートリンクで、「スケーターズワルツ」を口ずさみながら、何時間でも飽きずに滑っていましたから。
◯そしてメトロノームのまだなかった時代。
バッハやヴィヴァルディやモーツァルトの音楽も、バスパートが刻む一定のリズムが付いていなかったら、あれほど心地良くはないと思います。
昨今、世の中の流れに任せてしまったら、心身はグウっと下向いてしまう。
メトロノームにトントントンと伴走してもらっての音楽ジョッギングはいかがでしょうか。
「フルートハイ」、今こそです。