パユの公開レッスン
奥原由子
パユの公開レッスンをオンラインで視聴しました。
彼が長年所属しているベルリンフィルの音楽は表現力が超豊か。
強弱の幅は広く、音色は変化に富み、語り口は多様で抑揚もくっきりはっきりしている。奏者達は皆ソリストのように常に全身全霊で音楽を表現する。それが一丸となるのだから大迫力。
そんな演奏が日常となっているパユ。曲のビジョンを実現するための具体的な方法を細かく教えてくれました。
おことわりしておきますが、私はフランス語が堪能ではありません。通訳を介しての言葉と、パユのお手本演奏と、これまでの知識と経験からの判断で書いてみますので、不審な点があったらお知らせください。
◯アクセントマークのついた音は最後ディミヌエンドで収める。
逆に、テヌートはディミヌエンド無し。
スタカートマークは必ずしも短くだけではなく、分けるという意味も有り。
◯ヴィヴラートの速さのコントロールに注意。
意識しないとフォルテでは速くなり、ピアノではゆっくりになりがち。
フォルテではあるがままも有りだが、ピアノでは表情豊かになるよう注意。
ある部分で「極限の開いたラージを表現したい。」などとも言っていた。
◯フレージングには気を使うように。
それぞれのフレーズのエネルギーの量や方向性を考える。
同一の音の連続で構成されるフレーズも。
◯タンギング
響きをを区切りたくないときなどは、TではなくDを使うと良い。
ダブルタンギングは、常にTKTKの交互の連続ではなく、組み合わせを変えて使える。
舌だけでなく、お腹も連動させる。
◯口腔内の容積をコントロールする。
音域、強弱、音色、明暗等々の表現のため。
これにお腹からの圧力も連動させる。
◯意識しなくても動作は音や表現に思わぬ影響を及ぼすから注意!
もちろん表現したいことに有効ならOK.
◉始めにも書きましたが、これら全ての要素は、音楽を読み取り描いたビジョンを実現させるためのもの。パユは、プロコフィエフのソナタの部分部分のイメージも語っていました。温かくて優しいメロディの部分では、「おばあさんの子守唄。ノスタルジー。」なんて。(うん、でも私はそこ「コサックのお母さんの子守唄」だと思ったんだけど。)
ということですが、質問、感想、意見、異議申し立て、受け付けます。