「聴く喜び」を満喫したい!
奥原由子
前回の「本音トーク」では、「歌う喜び、踊る喜び、聴く喜び、この三つの喜び
のうち、「踊る喜び」関連の「動作」に注目しました。
今回は、「聴く喜び」に注目します。
◯学者さん方の最先端の研究を少しだけ勉強しました。
音楽が耳に入ってきた時の耳の機関の反応と、その情報が脳に伝わり、心が影響される様子は興味深かったです。
では、順を追って。
音は耳から入ってきます。耳はその音の信号を電気信号に変えて大脳に伝えるのだそう。ということで、音からの情報をキャッチしているのは脳。
その音からの情報は、数億年も前から人類の生存に深く関わってきたそう。
他の動物に比べ強力でもなく、未熟な状態で生まれてくるホモサピエンスには特に重要な情報。
そして、他の動物に比べ、聞こえる周波数の範囲は広くないけれど、内容を深く聞き取る能力を進化させた。
「それが心と直結するまでに。」
◉なるほど。
音楽を聴くと、気持ちが反応するのには根拠があることが解って本当に嬉しいです!ですよね!
◯さて、実際私たちがフルートを吹くときの「聴く喜び」問題に入ります。
前回、動作と演奏の関係で、
“楽譜から目を離さず、フルートを操って、良い音で正しく吹くことに集中する。当然動けるわけありません。
ところが、皆さんは自分で思っているより、もっとず~~っと余裕があったんですよね。”
と書きました。
同じように、視覚に集中し過ぎることが、聴覚の働きにも影響すると思います。
◯解決策の要は音符の読み取り方だと思います。
練習時、もう何十回何百回と見ていて解っているはずなのに、その度に音符の一粒一粒を読み取ろうとする。でしょ?
この習慣を断ち切って、粒々の並び方のパターンを読み取ることがおすすめ。
パターンとして読み取れば、記憶に定着しやすくなります。
◯それによって、視覚に使われる意識が減り、その分聴覚に使えます。
だから、音楽を鑑賞するときの喜びと同じくらい、いえ、それ以上に「聴く喜び」が満喫できます!
◯今回の課題曲達は、この楽譜の読み取り方が重要だと実感するものばかりです。
素晴らしい名曲達、一緒に感動しましょう👂