演奏中こそ、自身の思いに集中して
◉前回の練習のポイントは「曲を吹くときには、テクニック的な問題を全て頭から追い出しましょう。」でした。
実現し始めているようで、皆さんの演奏が明らかに変わってきています。
だって、そもそもフルートを吹く目的は、“自身の思いを表現したい”ですものね。
でもやはり、演奏中は技術諸々にも意識が分散しがちですよね。
残念ながら、実際たくさんの技術的な要素が必要なんですから。
あくまで技術は手段で、目的は音楽表現だと分かっているんですが。
その上、表現したいものが見えてくればくるほど、不足を技術で解決しようとがんばります。
これ、ぜひ改善したい!
ああ、厄介な音楽表現vs技術の問題よ!
◯この問題改善のため、“曲のイメージをはっきり描きましょう”を、これまでも文章にしたり語ったりを実践してきました。
◉それを一歩進める今回のポイント。
“演奏中こそ”意識を悲喜交交の自身の思いに集中する、を実現させましょう。
そのために今回の課題曲は、読譜も技術も易しいものを選びました。
イメージが湧きやすいし、共感もしやすい曲達ですよね。
①試してみてください。こんな意識で頭を満杯にして吹いてみることを。
「私の心の声。その思いの全てを言葉で言い表せるわけじゃない。
でもこの曲は、まるでそれを代弁してくれているかのようだ。
ありがたい。喜びと感謝を込めて、私自身の息で表現させてもらおう!」
②そして、それが実際聴こえてくるか耳を澄ます。
これこそが練習であり、目的地です。
◯補足
私の心の中まで届いてきた素敵な曲を作曲してくれた作者のこと。作者不明な曲をだけど、長年愛して歌い継ぎ、奏で継いできた人々のこと。
彼らの思いをより深く汲み取るために、色々読んだり聴いたり観たりすることもお勧めします。
奥原由子