暗譜の効用と危険性
先月の提案は、“演奏中こそ”意識を悲喜交交の自身の思いに集中する、でした。
そのためには、「曲を吹くときには、技術的な問題を全て頭から追い出しましょう。」でした。
この提案に沿ってくださった皆さんの演奏が、確実に表現力豊かなものになってきています。皆さんそれぞれの思いが、私の心に届いています。素敵です。
◯そして特に、楽譜無しで「暗譜」で吹いた曲の方が、表現が色濃くなる様です。これ、「暗譜」の効用です。
でも、この「暗譜」ですが、暗記するということだけを目指してしまうと、演奏するとき、記憶をたどってなぞるだけの棒吹きになってしまう危険性があります。頭の中が音符で満杯状態!
◉これを避けて、表現力アップの効用だけ得たいですよね。
そのための方法として、次のステップを試してみてください。
①まず、その曲に心から共感したら、自分から生まれ出てきたメロディのような(言葉のような)意識で吹き慣れる。
②そして、楽譜無しで吹いてみて、チョット確かめたい時だけ、チラッと見て吹き続ける。を、繰り返し、自信をつける。
③慣れたら、周囲の様子を見回しながらでも、表現しようとするものに集中して吹くことに慣れる。
◯始めは短い曲からマスターし、少しづつ長い曲もできる様に慣れたら良いですよね。
◯あっ、もう一つ。
周囲の様子を見回しながら吹くとき、聴き手がいてくれるようなイメージを思い浮かべるのもおすすめです。本番が待ち遠しくなりますから!
これまで一生懸命練習してきたご褒美です。名曲とのコラボ、楽しんでね。
奥原由子