2020.05.01
5月の講師演奏曲について
メンデルスゾーン作曲 「春の歌」
全世界が未知の状態に見舞われていますが、日に日に若葉が芽吹く5月はやって来ました。暗いニュースと、いつもの春のコントラストが不思議な気分です。でも、私たちの世代が今まで経験して来た平穏な状況の方が、特別だったのかもしれませんね。
何はともあれ、美わしの5月はやって来ました。今回は、メンデルスゾーンが言葉無しで、音だけで描いた歌「無言歌集」から「春の歌」をお聴きください。
彼が活躍したベルリンも、私の生まれた信州の北アルプスの麓も、全ての花々は5月一斉に開花します。梅、桜、林檎などなど、百花繚乱。もうワクワクです!この曲、明るい日差しの元、喜びが春風に乗って踊っているかのような音楽です。
描かれているのは、彼が33歳の1842年の春。 この頃から今年まで、世界では様々な歴史が刻まれてきたはず。でも、春は変わらず必ずこんな風にやって来てくれていたんですよね。たまたま今年はこんな状況下ですが、先人たちと同じ春を享受できることに感謝しつつこの曲を味わいたいと思います。
奥原由子