こんな時だからこそのバッハ。
今こそバッハの音楽に親しんでもらいたいと、課題曲に選びました。
なぜ?
こんな状況下です。
疲れ気味の私達の心を温かく潤してくれる音楽も、滞りがちな血流をリズミックにアップさせてくれる音楽も、私たちは両方共出会いたいですよね。
バッハの音楽は、その願いをかなえてくれるからです。
皆さんの、ん?という顔が目に浮かびます。
彼は気難しそうな顔で、壮大な音楽を教会に響き渡らせるイメージ?
確かに彼は、仕事に命を懸ける偉大な超人。
また、間違っていると思われることとは、損得考えず盛大に戦ってしまう正義漢。
とにかく熱い人!
でも一方、大勢の子供達や生徒のために自家製の教材を作曲したり、一緒にアルバイトをしたり、という温かで頼れるお父さんでもあったようです。
そんな多面的なバッハの音楽は多面的。
シュミッツ先生は、その曲の内容がシリアスなものか楽しむためのものか、はっきりさせてレッスンを始められました。
今回は、その両方をカット版で体験してみましょう。
①シリアスなもの
バッハは「神の存在を人々に伝えるための音楽」の作曲をライフワークにしていました。
その最高峰、人類に残された最高の音楽と言われる「マタイ受難曲」。
日本ではあまり耳にする機会がありませんが、ヨーロッパでは毎年イースターには必ず上演されます。
3時間にも及ぶ大作の中から、人気の2曲を選んで編曲したものを紹介しました。「無償の愛」と「赦し」を表現したものです。
◯心を温め潤してくれる音楽です。
②楽しむのためのもの
バッハは副収入を得るために、当時流行し始めたカフェで、弟子達を引き連れて演奏していました。フルートの主要レパートリー、「管弦楽組曲第2番」もそんな折の作品です。
ここからも、ポーランド風舞曲「ポロネーズ」と、冗談という意味の「バディネリ」の2曲を紹介しました。(今月の試聴曲にもアップしてます。)
◯一緒に踊って、血流アップです。
各曲の詳しい内容の解説や、それを演奏にどう反映させていくかを、レッスン時に実践してみましょう。
お楽しみに。
バッハお父さんも手伝ってくれますよ、きっと。
奥原由子