バロック音楽の光と影……
バロック時代は、「光と影」の時代と言われ、明暗、緩急、などををクッキリと表現し分けるのが好まれました。これは音楽だけではなく、絵画の世界でも同様です。
◉今回は、こんな音楽史的な話題を客観的な知識で終わらせたくないんです。
タイトルの「光と影……」の……はそういうことです。
私達は日頃、喜怒哀楽など諸々の“思い”を心の中に溜め込んでいますよね。
天才達も、やはり悲喜こもごもの“思い”を抱えて生きていました。
彼らが素晴らしいのは、そんな“思い”を音楽で表現してくれたことです。
それも、今回課題に取り上げているバロック時代の巨匠たちは、「光と影」というストレートな語り口で。
彼らの音楽は、力強く私達の心を揺り動かし、記憶を呼び覚まして、
「そう、この音楽は私が表現したかった気持ち!」
とか。
「彼はこんな気持ちを表現したかったんじゃないかな、うん。」
とか感じさせてくれます。
生身の彼らとの幸福な共鳴です。
◉そんな意識で今回の課題曲を体験してみてください。
追伸ーYouTubeのおすすめサイトです。
バッハ 管弦楽組曲第2番・第3番 リヒター 1960 - 1961
この曲もカール・リヒターとオーレル・ニコレの演奏が素敵です。
コーヒーハウスの空間にはちょっと真面目すぎる感じですが、バッハの「毅然とした誇りと温かな愛」、その両方が直に心まで伝わってきます。
ちなみに、3番の「エール」が、有名な「G線上のアリア」です。
お好きなコーヒーの香りとともに、バッハと心を一つにする幸福をご賞味あれ!
奥原由子