スタッカートの表現に注目
発表曲の準備、進んでいるようですね。
皆さんの演奏を聴かせていただき、レガートのメロディに想いを託す表現の方が比較的うまくいっているように感じました。
が、スタッカートの表現は、質を上げなくては、と思いました。
なので、ここでスタッカートの表現に注目します。
耳を澄まして聴いてみてください。
目指すのは、ツッ、ツッ、というのではなく、ポン、ポン、という喜ばしい響きです。
◉そのために使うのは、横隔膜です。
教本の9ページを開いてください。
そこでは、お腹をゆっくりへこませながら息を吐き、「ストン」と一気に力を抜いて空気を流し込ませるブレスの仕方を紹介しています。
初心に帰り、ぜひ実際にやってみて確認してください。
というのは、スタカートを表現するときの横隔膜の動きの基本は全く同じだからです。違いは2つ。
①スタカートでは、音符一粒づつ横隔膜を上下します。
②ですが、音符一粒づつの間では息を吸わなくても良いのです。
◉まず、フルート無しで試してみましょう。
①お腹をゆっくりへこませながら息を吐ききる。(横隔膜上がり、お腹へこむ)
②「ストン」と一気に力を抜き空気を流し込ませブレスする。(横隔膜下り、お腹を膨らむ)
☆ここまでが、通常の息継ぎ。
③そこで、「ハッ」と短く息を吐く。(横隔膜上がり、お腹へこむ)
④次の瞬間、反射的に素早くお腹の力を抜く。(横隔膜下り、お腹膨らむ)
このとき、空気を流し込ませず横隔膜だけ下ろす。
☆これがスタッカートのための短い息です。
(もしかして咳払いと似てます?)
⑤できたら数粒連続して③④と繰り返してから、空気を流し込ませる通常のブレスをします。
◉皆さんの様子を見せていただくと。
「ハッ」と短く息を吐くの方がうまくいっているようですが、
反射的に素早くお腹の力を抜くができにくいようです。
お腹を少しづつ連続してへこませ続けて、短く吐く、吐く、吐く、吐くが続きがちなようです。
これだと、同じ質の粒々は並びません。
◉くれぐれも急がず、ゆっくりテンポで確実に身につけることをおすすめします。
◉◉◉キーワードは、「緊張より弛緩を意識!」です。
◉OKと思ったら、息だけの「ハッ」をタンギングと連動させ、「テッ」にしてみましょう。(連動だよ!交代じゃないよ!)
これで完成です。
この後、いよいよフルート持って、「ドレミの歌」から試してみましょう。
無理のないテンポで、できるだけ多くの音をスタッカートで吹きます。
きっと楽しくってやめられなくなるよ。
「フルートハイ」が体験できます。
奥原由子