2023.11.01
11月の講師の演奏について
シューベルト作曲 音楽に寄せて
奥原由子
諸手を挙げての音楽への感謝の曲。
大賛成!
私は子供の頃、しょっちゅう高熱を出し学校を休んでいた。
学校では皆んな元気に過ごしているんだろうな、と思いながらの一人ぼっち感。
そんな気持ちを救ってくれたのが音楽。
父が組み立てた蓄音器で、一日中レコードやソノシートを聴いていた。
おしゃべりな子供だったけど、言葉では言い表しきれない気持ちもあった。
こういう気持ちはピアノや笛で音楽に言ってもらう方が良いと分かった。
初めは音楽の受け手である自分の気持ちしか意識になかった。
でも徐々に、音楽には、これを創り出した作曲家達がいたことに気付いた。
ああ、昔からこんなに大勢の人達が、気持ちを、そして全人生までも音楽に託してきたんだ、と。
シューベルトもその一人。
30年そこそこの人生を、音楽を紡ぎ出すことだけに集中した人。
この曲は、その人の音楽讃歌。
本当にシンプルで淡々とした語り口だけど、伝わってくる音楽愛のパワーは超強力!
作ろうとして作ったものではない、心の奥底からの真実の声だから。
彼の生きた年月の倍以上生きてしまった私だけど、ますます音楽に頼る日々です。
シューベルトさん、ありがとう!
音楽よ、ありがとう!