2016.11.01
11月の講師演奏曲について
ブラームス作曲 「ハンガリー舞曲第5番」
日に日に秋も深まり、人恋しいこの時期に聴きたい曲です。
国家にも宗教にも縛られず、自由に生きるジプシーの人々。
彼らが主人公の音楽は、喜怒哀楽をおおらかに歌い、踊るもの。
封建的な社会で、息を詰めて暮らすヨーロッパの人々を魅了しました。
一方ブラームスの音楽は、
「現実にここには無いけれど、こうあって欲しい。」
という憧れを、情熱的に切々と訴えかけてくるもの。
そのふたつの音楽世界が一つにとけあって、不朽の名作が生まれました。
希望の光を感じさせ、心を解き放ち、のびのびと踊らせてくれるこの曲は、当時大ヒット。
そして時を隔てた現代も、
生きる喜びが溢れる踊りの輪に、私たちを力強く巻き込んでしまいます。
両腕を大きく広げて、「さあ、おいでよ!」と。
奥原由子