2017.04.01
4月の講師演奏曲について
J.シュトラウス作曲「春の声」
いつ聴いても、フレッシュな希望と明るい幸福感をもらえる曲です。
若々しいこの曲ですが、
生み出したのは何と、58才のシュトラウスと71才の巨匠リストです。
先月の「野ばら」が20才前後の若者たちの出会いから生まれたのと対照的ですね。
二人の中高年は、あるパーティで顔を合わせ、遊びながら作ってしまったのがこの曲だそうです。
後日、このメロディに触発された友人の脚本家が歌詞をつけます。
「春が来て、ヒバリは空高く舞い上がり、万物に生命が蘇り、悩みは皆消えてしまう……」
それを、ビアンキという名ソプラノ歌手が初演します。
なんと素敵な大人のネットワークでしょう!
歳を重ねる間、苦難に出会っても、彼らは前向きな希望を持ち続けました。
その衰えを知らない情熱を支えていたのは、こういう音楽だったんですね。
奥原由子