2022.09.01
9月の講師演奏曲について
ヴェルディ作曲 シチリアーナ「シチリアの夕べの祈り」より
この曲はオペラの中のアリア。結婚式でお花をもらった花嫁が「お花をありがとう」と歌う。
舞台は戦争の絶えなかった時代のシチリア。敵対する勢力双方の二人が出会い何とか結婚式まで漕ぎ着けるが、直後悲劇に見舞われる。
言わば、シチリア版“ロミオとジュリエット”。新しくは、“ウエストサイドストーリー”。
人類はいつになったらこんな悲劇を繰り返さなくなるんでしょうか。
この曲には、「今は生きている!」という喜びが溢れています。
緊迫した過酷な状況に屈しない、誇り高い気っ風の良さが爽快です。
その上、明るい希望さえも響き渡ります。
作者ヴェルディの生きた時代は、イタリア独立運動の最中でした。
彼は周囲の人々を励ましたいとの願いを込めてオペラを作曲しました。
そんなヴェルディは、今でもイタリア人にとって心のヒーローのようです。
奥原由子