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講師演奏曲の解説集講師演奏曲の解説集

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2017.02.01

2月の講師演奏曲について

バッハ作曲 ポロネーズとバディネリ「管弦楽組曲2番」より

寒いですね。
今回は、熱々のコーヒーカップを抱え込みながらお聴きください。

皆さんご存知でした?
当時はヨーロッパにコーヒーが大流行し始めた時代でした。
あの大バッハは、お弟子や息子たちを引き連れて、皆でエッサエッサ楽器も運び込んで、コーヒー店で出前コンサートをやってたんですよ。
この曲は、そのために作曲されたものだそうです。

香ばしいコーヒーの香り漂う居心地の良いカフェで、自分の育てた若者達とニコニコ気楽に合奏するお父さんバッハ。音楽の教科書の、厳しい顔した「音楽の父」のイメージはないですよね。

ひととき目を閉じて、そのカフェに座ってるイメージでお過ごしいただけたらと思います。

奥原由子

2016.12.27

1月の講師演奏曲について

モーツァルト作曲 「キラキラ星変奏曲」

クリスマスも終わったので、少し早めですが、フレッシュに新年を迎える曲をお聴きいただきます。

実はこの変奏曲のテーマ、モーツァルト時代は「キラキラ星」ではなく、
パリで流行していた「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」
というシャンソンなのです。

若い娘さんが、恋人のことをお母さんに打ち明けようとする歌です。
初々しい高揚感!
嬉しいも悲しいも、とにかく話さずにはいられない。

こんな気持ちの表現は、モーツァルトの得意ジャンルです。

単純なメロディから、微笑ましい人生の一大事を生き生きと紡ぎだします。

ウキウキと地に足のつかないような興奮も、メソメソと身も世もない心配も。

それらを言葉無しで!音だけで!

お見事!

ところでこの曲、
子供向けというより、大人の若返りに効き目がありそうでしょ。

2017年もモーツァルトさんに、
固まりがちな私たちの心を、ユッサユッサ揺り動かし、
曇りがちな頭のレーダーをピッカピカに磨いていただきたいですよね。

奥原由子

2016.12.05

12月の講師演奏曲について

シューベルト作曲 「アヴェ・マリア」

クリスマスが近いこの時期、あちこちでこの曲が流れますよね。

どんな悲しみも苦しみも受け止めてくれるという聖母マリア。
画家や彫刻家たちは、彼女の清らかさや温かな慈愛をぜひ表現したいと、
渾身で素晴らしい名作を残しました。

この曲は、シューベルトが響きで描いた聖母マリアの肖像画でしょうか。

100パーセントの信頼を込めた、「マリア様!」という呼びかけに続いて、
心からのお願いを訴えかけるようなメロディ。
人間の祈りの声と共に、清楚で優美な女性像も目に浮かんできます。

その上、なんと、
シューベルトは彼女からのメッセージも表現してくれています!

それが、今回注目していただきたいピアノの響き。

終始途切れなく、柔らかく波打つように続く和音の響き。
それはあたかも、彼女から放射され、静かに届いてくるたっぷりの慈愛。
冬の陽だまりのように、私たちを温かく包み込んでくれる。

短く過酷な人生で、シューベルトが憧れ、求め続けた、
「わかってるわよ、大丈夫、大丈夫。」
という、穏やかな安心感でしょうか。

全世界の人々が、この曲で心を緩めてもらう12月を過ごせたら!!!
と、祈りつつ。

奥原由子

2016.11.01

11月の講師演奏曲について

ブラームス作曲 「ハンガリー舞曲第5番」

日に日に秋も深まり、人恋しいこの時期に聴きたい曲です。

国家にも宗教にも縛られず、自由に生きるジプシーの人々。
彼らが主人公の音楽は、喜怒哀楽をおおらかに歌い、踊るもの。
封建的な社会で、息を詰めて暮らすヨーロッパの人々を魅了しました。

一方ブラームスの音楽は、
「現実にここには無いけれど、こうあって欲しい。」
という憧れを、情熱的に切々と訴えかけてくるもの。

そのふたつの音楽世界が一つにとけあって、不朽の名作が生まれました。

希望の光を感じさせ、心を解き放ち、のびのびと踊らせてくれるこの曲は、当時大ヒット。

そして時を隔てた現代も、
生きる喜びが溢れる踊りの輪に、私たちを力強く巻き込んでしまいます。

両腕を大きく広げて、「さあ、おいでよ!」と。

奥原由子

2016.10.01

10月の講師演奏曲について

モーツァルト作曲 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

暑い時期、心身のほてりを冷ましてくれる音楽をお聴きいただきましたが、
今月はエンジンを掛け直してくれるような曲です。

モーツァルトといえばこの曲。一度聴いたら忘れられない軽やかなリズムに乗せた、シンプルで親しみやすいメロディ。

でも専門家によると、楽聖晩年の一分の隙もない曲だそうですよ。

晩年と言っても、たった36年の人生ですがね。
それも天国と地獄を行き来するようなものだったようです。

皆さんのモーツァルトはどんなイメージの人ですか。

これは私のイメージ。
普通の人には考えられない程の困難をはねかえしつつ、
明るく、前向きに、誠実に、ビュンビュンと駆け抜けた人。
それも、何ものにもとらわれない高い誇りと、優しい思い遣りを併せ持ちつつ。
そして人並み外れた感性が、体験し感じ取った全てを、率直に音楽で表現できたことは奇跡のようだと思います。

この曲は、そんなモーツァルトの人となりそのもの、音で描いた自画像のような音楽だと感じています。

こんな風に、思い入れたっぷりに言葉にするとゴツゴツしてしまう内容を、モーツァルトはこの上なくスッキリとした音楽にしてしまう。 凄い!

清々しい晴朗さが響き渡ります。

奥原由子

2016.09.01

9月の講師演奏曲について

ラヴェル作曲 「亡き王女のためのパヴァーヌ」

7、8月は今年生誕150年のサティの曲をお聴きいただきました。
今月登場のラヴェルは子供の時、お父さんに連れられて、サティがピアノを演奏しているパリのカフェを訪れたそうです。
子供が好きだったサティと、多感な少年の出会い。
世代を超えて天才から天才へ、どんな電流が流れたんでしょうね。

ラヴェルは昼、穴を開けて星に見立てた雨戸を閉めて休み、
夜に作曲した人だそうです。

以前、彼がシャム猫を抱いている写真を見たことがあります。
私もシャム猫と暮らしたことがあるのですが、夜中に机に向かっているといつも手伝ってくれました。(時々船を漕ぎながら)
私のイメージですが、あの写真の猫もきっと、夜型の彼の作曲を 手伝っていたんだと思います。

ここからは、もっと私のイメージ。
この曲は、目を閉じると満天の星空を見せてくれます。
そして、星になってしまった、今は亡き大切な生命達が、
明るく輝いて、微笑みかけてくれるように感じさせてくれます。

小さな曲の中に広がる、大きな宇宙空間と懐かしい時空間!

ところであなたが、
あなたの大切な「亡き王女」達と出会えるのはどんな曲ですか。

奥原由子

2016.08.01

8月の講師演奏曲について

サティ作曲 ジムノペディ

7月に引き続きサティの名曲です。

あくまで優しく穏やかに聴くものを包み込んでくれる。

これが良いとか、あれが良いとか、どうしろこうしろとか、
そんな風には何も決めつけないし強要しない。
こんなことってあるのかな、って思うくらい。

あるんですよ!それがサティ。
ただ静かに思いやりに満ちた音楽を奏でてくれる。

近年益々夏は暑い!
せめてひととき、こんな音楽で心身のほてりを静めたいですよね。

先月の、ピッコロで軽やかに「ピカデリー」とは反対に、
しっとりとバスフルートで吹いてみました。

奥原由子

2016.07.01

7月の講師演奏曲について

サティ作曲 ピカデリー

その並外れた純粋さ一途さのためでしょうか、天才たちの中には周囲とのすり合わせが上手でない人がいるようですよね。サティもその一人。
その上彼はビジネスの才も皆無で、貧しく、でも毅然と孤高に生きた人でした。

そんなサティですが、近所の子供達には心を許していたそうです。
共通項は、無垢で繊細な心でしょうか。

奇人変人の見掛けと、紡ぎ出された音楽の人なつっこさのギャップ!

彼の音楽は聴く者の心から、
「頑張って生き抜かなければ。」を溶かし去ってくれる。

「一緒に散歩しようか。」と、誘ってくれるかの「ピカデリー」、
ピッコロフルートで吹いてみました。

奥原由子

2016.06.02

6月の講師演奏曲について

ヴィヴァルディ作曲 協奏曲「かわらひわ」より第2楽章

小鳥たちの声の率直な響きは、私たちの心の中にもストレートに飛び込んできますよね。
いつでもどこでも、お天気が良くても悪くても、気持ちをパーッ、と明るくしてくれる。

そんな声を、ヴィヴァルディはこんな素敵な音楽で讃えています。
私たちの心の窓を、自然に開け放ってくれる音楽だと思います。

ムシムシジメジメの季節がやってきますが、この曲でひととき、
気持ちをカラカラッ、と除湿していただけたらと思います。

奥原由子
2016.05.02

5月の講師演奏曲について。

ビゼー作曲メヌエット「アルルの女」より

明るく温かでのびのびとしたメロディが、フルートの音色にぴったりですよね。
それが優しくポロロンポロロンと爪弾くような伴奏に乗って流れるのはなんとも魅力的。

この曲が吹きたくてフルートを始めたという方、とても多いようです。実は私もそのひとりです。

私がこの曲に出会ったのは小学生の時。どこのだれのなんていう曲かも知らず、フルートなんて見たことも無いのに、スピーカーから流れ出した響きにすっかり夢中になってしまいました。レコードがすり切れる程くりかえし聴き、真似て縦笛で吹いていました。これがきっかけで後に、両親自身も見たことも無いフルートを注文し買ってもらいました。 以来、何を見るのも聞くのも学ぶのも、人との出会いさえもフルートに導かれて、という人生になってしまいました。

おだやかな語り口なのに、心にまっすぐ届いて揺り動かしてくれる。この感じ、言葉で言い表す事なんてできませんよね。名曲!!!

奥原由子

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