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講師演奏曲の解説集講師演奏曲の解説集

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2020.10.01

10月の講師演奏曲について

ドボルザーク作曲 ユモレスク

ようやく暑さも去り、深呼吸しながらの散歩も快適になってきましたね。
今月は、心地よいペースで一緒に歩いてくれて、身も心もくつろがせてくれるような曲です。

ドボルザークは、アメリカに招かれ活動していたある夏、故国で家族と共に夏休みを過ごしました。この曲は、その際に作曲されました。

彼は、こよなく愛する故郷の、緑滴る自然に包まれて散歩したのでしょう。
「今、この時、を全身全霊で満喫している」という気持ちが伝わってくるような曲だと思います。

色々大変な「今」ですが、せめてひと時、こういう曲を心に響かせながら散歩するのも良いですよね。どんな状況でも「今」は大切だから。

奥原由子

2020.09.03

9月の講師演奏曲について

シューベルト作曲 音楽に寄せて

原曲は歌曲です。歌詞は、
「音楽よ、おまえは私がつらく悲しい時、いつも心に暖かい愛の火を灯し、より良い世界、幸せな明日を見せてくれた。音楽よ、ありがとう。」
といった内容。

作詞者と作曲者の「音楽」への感謝のメッセージ。
メロディもピアノパートもシンプルで穏やかなのに、ストレートに心に届いてきます。
大変な人生を生きたシューベルトの、心の奥底から立ち上ってきた真実だからだと思います。

現在大変な状況下にいる私たちです。
周囲の状況が過酷なほど、音楽の助けが必要だし有難いと実感しています。
そんな気持ちをシューベルトは、後世の私たちも「うん、そうそう、そうなのよ!」と、共に感動できる曲にして残してくれました。

まだまだ続きそうな、息苦しいこの状況。
「より良い世界、幸せな明日は必ず造れるよ!」
と励ましてくれる、こういう音楽と過ごせる時間に感謝したいと思います。

奥原由子

2020.08.05

8月の講師演奏曲について

サティ作曲 ジムノペディ

いよいよ暑い暑い夏本番ですね。
心身の火照りを鎮めてくれるこの曲がオススメです。
血圧まで下げてくれるという説もあるようです。

作曲は先月と同じサティの人気曲。
あくまで穏やかな雰囲気を表現したくて、バスフルートで吹いてみました。

彼の斬新な作品は、同時代や後の音楽界にも絶大な影響を与えました。
でも、ご本人は出世や名誉などなどの俗世界の欲は皆無!
生前は誰も入れなかったという部屋。亡くなった時、中身の空っぽのグランドピアノや、投函されなかったラブレターの束が残されていたというエピソードも。

純粋で誠実で心優しい人。
押し付けがましく無い、「家具のような音楽」を目指したほど。

聴くものに緊張も警戒心も与えない。
スーッと入ってきて、優しく包み込んでくれる。

暑さ、コロナ、マスク。
しばし、サティがストレスから解放してくれると思います。

奥原由子

2020.07.10

7月の講師演奏曲について

サティ作曲 ピカデリー

大雨、シトシト、ジメジメ、その上コロナにマスク!
とてもとても、ニコニコと深呼吸しながら颯爽と歩けるなんてもんじゃないですよね。

そんな中、フッとこの曲を口ずさんだら、足取りが軽くなりました。

サティの自宅と、仕事場であるカフェは、パリの街を挟んで反対側。
その道程を、何時時間もかけて徒歩で通ったそう。
もしかしたら、その奇行の間に、規制にとらわれない、独自で、超超魅力的な音楽が湧き出してきたのかしら?

明るくはない人生から、私たちへのカラッと明るい贈り物。
心優しいサティに感謝しながら、ニコニコ深呼吸させていただきます。

ぜひ、皆さんもご一緒に。

奥原由子

2020.06.04

6月の講師演奏曲について

ヴィヴァルディ作曲 「かわらひわ」

私達、現在未知との遭遇の真っ最中。
でも考えてみると、人類の歴史は常にそれの繰り返しだったのかも。

ヴィヴァルディの生きた時代もですが、彼自身を取り巻く状況も困難の連続だったようです。
前向きに生き抜くためには、どれほど強力な気力を振り絞ったのでしょか。

でも、その気力が紡ぎ出したパワフルな音楽を、同時代の人々は大歓迎で享受ました。

毎日感じている重圧感から、なんとか解放されたい私達も、そのパワーをもらいたい!

ということで、今月はカラッと明るいこの曲を。

奥原由子

2020.05.01

5月の講師演奏曲について

メンデルスゾーン作曲 「春の歌」

全世界が未知の状態に見舞われていますが、日に日に若葉が芽吹く5月はやって来ました。暗いニュースと、いつもの春のコントラストが不思議な気分です。でも、私たちの世代が今まで経験して来た平穏な状況の方が、特別だったのかもしれませんね。

何はともあれ、美わしの5月はやって来ました。今回は、メンデルスゾーンが言葉無しで、音だけで描いた歌「無言歌集」から「春の歌」をお聴きください。

彼が活躍したベルリンも、私の生まれた信州の北アルプスの麓も、全ての花々は5月一斉に開花します。梅、桜、林檎などなど、百花繚乱。もうワクワクです!この曲、明るい日差しの元、喜びが春風に乗って踊っているかのような音楽です。

描かれているのは、彼が33歳の1842年の春。 この頃から今年まで、世界では様々な歴史が刻まれてきたはず。でも、春は変わらず必ずこんな風にやって来てくれていたんですよね。たまたま今年はこんな状況下ですが、先人たちと同じ春を享受できることに感謝しつつこの曲を味わいたいと思います。

奥原由子

2020.04.02

4月の講師演奏曲について

シューベルト作曲 「野ばら」

先月お聴きいただいた「すみれ」同様、今月も可憐な花を愛でる内容ではありません。命懸けの失恋物語です。「すみれ青年」は踏み潰されましたが、「野ばらお嬢さん」はポッキリ折られてしまいます。

歌詞は、同じゲーテ作。
野原に若々しく、朝のように美しい野ばらが咲いていました。
それを見つけた少年は、大喜びで駆け寄り折り取ろうとします。
野ばらは叫びます。
「そんなことしたら棘で刺しますよ。あなたが永遠に私のことを忘れないように」と。
その声は少年には届かず、折り取られてしまいました。

そうです。この2つの物語の違いは、「すみれ青年」が自ら望んで命をかけたのに対し、「野ばらお嬢さん」は抵抗の甲斐なく折り取られてしまうということ。
その違いを深く捉えた二人の天才、モーツァルトとシューベルト。
2曲の聴き比べも興味深いかと思います。

ここからは、名曲「野ばら」を生んだ3人の物語。
21歳の貴族の学生ゲーテは、18歳の牧師の娘、ブロンドのおさげ髪のフリーデリーケと恋に落ちました。しかし1年後、大学を卒業した彼は、彼女に何も言わずに去ってしまいました。残されたうら若い娘さんの心の傷は重傷。彼女は独身のまま、その生涯を終えたそうですから。
後年ゲーテは謝罪するかのように、彼女を賛美するこの詩を書きました。

この詩が、シューベルトの心を捉えたのは18歳の時。
教師の職を捨て、後先構わず、一途にフリーランスの音楽家人生に飛び込んだ頃です。31歳で一文無しのまま世を去ることになる、無謀な決断です。

当時は身分制度の厳しい時代でした。
それぞれの制約の中でしか生きざるを得なかった3人の若者。
共通項は唯一、将来を計算しない純粋な情熱の輝き。(あるいは暴発。)

この「若々しく、朝のように美しい」瞬間を、シューベルトは見事な音楽で、未来永劫に残しました。

痛みの混じったような青春の輝き。言い換えれば、愛おしい無鉄砲。
今日このごろの私にはヤケに眩しい!
奥原由子

2020.03.06

3月の講師演奏曲について

モーツァルト作曲 すみれ

この曲、実は花を愛でる可愛い曲ではなく、青年の完璧な失恋物語です。

歌詞は、恋多き人だったという言葉の天才ゲーテの、すみれに託した恋心の一部始終。それに共感した、音の天才モーツァルトの音楽。
奇跡の出会いの奇跡の一曲!!!
さてこのストーリー、貴方のトキメキの想い出とどのくらい重なるかしら?

歌詞の内容は、
「野にすみれが一輪人知れず咲いていた。それは心を持ったすみれだった。
ある日、羊飼いの娘が足取りも軽く、晴れ晴れと歌いながらやって来る。
それを見たすみれは突然、自分がこの世で一番美しい花でありたいと願う。
そして摘み取られ、たった15分で良いから彼女の胸元を飾りたいと望む。
ああでも、彼女はすみれに気付きもせず、その上踏みつけてしまう!
しかしなんと、すみれは彼女の足の下で死ねることを声高らかに喜びながら息絶える。」

ゲーテの歌詞はここまで。そこにモーツァルトはもう2行、
「かわいそうなすみれ!
だがしかし、それは心を持ったすみれだった。」
と、付け加える。まるで「君のことは絶対に忘れないよ!」と言うように。

そして聴く時のツボ。
歌曲は普通、語られている内容を、全体の雰囲気で表現します。
それと異なりこの曲は、歌詞の一言一言の内容を、メロディやリズムだけでなく、長調と短調で明暗を刻々と変化させながら語っていきます。超特殊!

ここではドイツ語で歌われる歌詞がない分、モーツァルトが音で描いた場面場面を想像を巡らせてお聴きいただくのも一興かと思います。

まず穏やかな日常。それを破る突然の恋心の爆発。熱烈なそして切ない憧れ。天にも昇るような希望。そして命をも奪う程の完璧な失恋。(ジャン!と踏みつけられる音有り。)でもそれは狂喜する程本望だという!
そして、それら全部を優しく見守るモーツァルト。

今回の解説、文字が多過ぎですよね。分かっています。
これが天才の完璧簡潔な作品と、凡才の蛇足の違いですよね。

蛇年の、奥原由子

2020.02.07

2月の講師演奏曲について

モーツァルト作曲 「ロンド」(ピアノ協奏曲第27番より)~「春への憧れ」

ポカポカ陽気の春が待ち遠しいこの時期、こんな曲はいかがでしょう。

モーツァルトは1791年12月5日に亡くなりますが、この協奏曲はそれに先立つ冬の最中、1月5日に完成しています。
それと日を前後して書かれた歌曲「春への憧れ」。この2曲、ジャンルは違いますが、表現しているものは明らかに共通しています。

歌曲「春への憧れ」は幼い少年が語っているスタイルです。
メロディは「ロンド」のテーマとほぼ同じ。 歌詞は、 “5月よ早く来て。冷たい冬はもうごめんだよ。野原で飛び跳ねて遊びたいよ。まず、スミレを咲かせて!小鳥たちも連れてきてよ!お願い!”

ロンド」は、清々しい透明感漂う彼の最後のピアノ協奏曲第27番の終楽章。終始軽やかで、まるで少年の願った春がやってきたかのようです。
彼の弾むようなスキップのリズムで始まり、小鳥が飛び交い、スミレ咲く大地のコーラスが喜ばしく響きます。途中、冬の北風の名残が吹きつけますが、希望が立ち上るように春が呼び戻されます。

これらを作曲した頃の彼は、心身ともに疲れ切っていました。
春を待ち望む少年の願いは、人生に明るい明日を求めるモーツァルトの願いそのまま。
彼はこの希望に満ちた明るい曲達を書くことで、春を、そして気力を呼び戻したかのように、「魔笛」や「レクイエム」など大きな傑作の数々を生み出します。たった一年足らずの間にですよ!!!信じられますか?

彼の明るい音楽には、途中、真っ暗な谷底に引き摺り込まれるような瞬間があります。でも間も無く必ずV字回復して急上昇!明るく前向きな世界、時には天国までも連れて行ってくれます。
実人生でも、それを体現して見せてもらえたように思います。

奥原由子

2020.01.08

1月の試聴曲について

J.シュトラウス作曲 トリッチ・トラッチポルカ

バン! とドアを開けた途端にワッと吹き出してくる音楽と踊り回る靴音と人いきれの渦、そしておしゃべり。
外はどんなに寒くてもここは熱々。喜ばしいエネルギーに満ち溢れています。

トリッチ・トラッッチ は、ペチャクチャおしゃべりという意味だそう。
この曲、途切れなく続く速いテンポの音楽に混じって、様々なキャラクターのおしゃべりや笑い声が聞こえてきます。

皆さんもご一緒にステップを踏み身体を揺らしてご参加ください。
運動不足解消と暖房費の節減、一挙両得のご褒美がもらえます。

そして何より、共に生きる歓びが湧いてきます。

シュトラウスの時代のウィーンは、良いことばかりの夢のような時代ではなかったようです。だからこそ、山も谷も乗り越えて進み続けるのに、友人たちとのこんな時間は大切だったんですね。

奥原由子

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